９０年 須藤監督
 

ＡＦＴ野球のスローガンを引っさげて須藤監督がやってきた。Aggressive（気迫）Fundamental（基本）Technic（技術）の頭文字である。４年ぶりの開幕３連勝に、２０試合を消化しての首位は８年ぶり。古葉監督時代の５時間２１分をあっさり更新する二日がかりの５時間５１分のゲーム（８月４日中日戦）をサヨナラ勝ち。

しかし、後半は息切れした。前半の４月１０勝６敗、５月１３勝９敗が６月には９勝１３敗、７月８月共に８勝１３敗とずるずると後退してしまったのは、例年どおり。ただ、前半の貯金がきいて負け越しながら関根監督時代以来久々の３位となった。

開幕投手の中山は好調不調の波が激しく８勝１２敗と大きく負け越した。開幕が中山というのは須藤監督の高校の後輩ということもさることながら、本来予定していた斉藤が故障、その代わりに指名しようとした欠端も開幕３日前に故障。野村は次の広島戦に使いたい。。。と消去法で決まったとのことである。その野村は前年負けても負けても辛抱して使った甲斐があり、投手陣の柱に成長した。読売戦に５勝を上げ、「Ｇキラー」として一躍有名に。

例年にないチーム防御率３位（３．９４）が、負け越しながらＡクラス入りを果たした勘所かなと。ただこの年の読売はチーム防御率2.83、完投70！で2位広島に22ゲーム差をつけた超独走の優勝であるので比べると悲しい。

遠藤は５イニングを過ぎると急激にスピードが落ちるようになり、先発失格で抑えに回ったのが成功し、見事カムバック賞を受賞した。

打線は、マイヤーを入れたものの９０本塁打と１２球団唯一の１００本未満。一方残塁数は堂々４ケタの１００２（リーグ最多）。あいかわらずの大味野球がうかがいしれる。パチョレックが高木豊とのチーム内の争いを制し初の首位打者に。マイヤーの契約に「ファームではプレーしない」という条項が入っていたためはじき出されたのがポンセ。手首の故障もあったがほとんどを２軍暮らしに終わり、日本を去ることとなった。

また、河野がチーム初の背番号「0」を背負ったが、なんと開幕前にトレードされ、公式戦でお披露目することはなかった。代わりに「０」を背負ったのはトレードで西武からやってきた後の「迷信号機」青山であった。

なお、この年井上がジュニアオールスターで優秀選手となっているがどうでもよいか。。。

順位	チーム	監督	横浜大洋対戦成績
１	読売	藤田	１１−１５
２	広島	山本	１３（２）１３
３	横浜大洋	須藤
４	中日	星野	１４（１）１２
５	ヤクルト	野村	１０−１６
６	阪神	中村	１６−１０

タイトル：パチョレック首位打者

カムバック賞：遠藤

ベストナイン：パチョレック、マイヤー

ゴールデングラブ：山崎

打率ランキング：１位パチョレック、２位高木豊、２３位マイヤー、２５位清水、２７位山崎、３３位高橋雅

防御率ランキング：９位野村、１３位新浦、１９位斉藤明

＜その他の記録＞

パチョレック最多打数・最多安打・最多二塁打・最多併殺打・全試合出場、野村最多無四球　

チーム成績

チームリーダー

開幕オーダー
 

0河野 誉彦/青山道雄
1谷繁 元信
2山崎 賢一
3高木 豊
4横谷 彰将
5清水 義之
6高橋 雅裕
7ポンセ
8大野 雄次
9銚子 利夫
10加茂川 重治
11石川 賢
12東瀬 耕太郎
13石田 文樹
14パチョレック
15盛田 幸妃
16欠端 光則
17斉藤 明夫
18岡本 透
19中山 裕章
20相川 英明
21野村 弘樹
22佐々木 主浩
23マイヤー
24遠藤 一彦
25長谷川 国利
26田代 富雄
27田辺 学
28新浦 寿夫
29松本 豊
30友利 結
31屋鋪 要
32井上 純
33市川 和正
34村田 辰美
35平塚 克洋
36進藤 達哉
37日野 善朗
38川端 一彰
39岡本 哲司
40大川 隆哉
41宮里 太
43吉本 文弘
44加藤 博一
45村岡/駒崎
46宮下 嗣朗
48成田 幸洋
49中条 善信
50堀江 賢治
51石橋 貢
52塩崎 兼一
53片岡 光宏
54大門 和彦
55佐野 貴英
56山口 幸勇
57今久留守 成幸
58大久保 勝也
59呉 俊宏
62榊原 勝也
63小山 昭吉
66石井 忠徳
67川口 正
68名幸 一明
69知野 公昭
70岡本 龍二
71藤枝 慎治
72池辺 巌
73門田 富昭
74米田 慶三郎
75田村 武雄
77高浦 己佐緒
78須藤 豊
79小林 正之
80中塚 政幸
81高橋 良昌
82佐野 元国
83秋元 宏作
84小谷 正勝
85野村 収
87塚原 賢治
88大杉 勝男
89松盛 茂
91江尻 亮
95大谷 幸弘
97藤山 隆弘
99高木 由一