８５年 近藤監督
 

関根政権は、目出度く３年をもって崩壊した。次が近藤監督と聞いた私は、「またもやＶ１戦士近藤和彦の監督就任か！？」と早合点したが、中日野武士野球の軍師近藤貞雄の就任であった。

皆さんお待ちかねの「スーパーカートリオ」である。「僕の憧れ、僕の恋人、スーパーカー♪」と思わず歌ってしまうのは、スーパーカーブーム時代にスカイビルにカウンタックの写真を撮りに行った管理人の世代故であろうか。前年、やっと戦力となった高木豊、屋鋪に野村収を放出してまで獲得した加藤博一を加えた３人の足を生かした打順を近藤が組んだ。問題は屋鋪である。１、２番を期待されながら、バントや叩き付けて人工芝ヒット（死語）を狙うバッティングができず（←不器用だった）振り回してばかりいた屋鋪を３番に起用したのである。この年、１８８盗塁と、広島を追い抜き、１２球団１位の盗塁数を記録した。しかしながら「無意味な盗塁」との批判が多かったのも事実である。（盗塁死８４も12球団一である。）他方３人揃って最多三塁打も記録した。また、内野安打についても高木豊が２２（うちバントヒット３）、加藤が２２（うちバントヒット８）、屋鋪が２０（バントヒット０）と３人揃って２０本以上は１２球団唯一。屋鋪にバントヒットが１本もないのは彼らしいことだよ。

なお、近藤監督は当初「ファンマガジン横浜大洋」等では「スポーツカートリオ」と言っていた。おそらくスポーツ新聞の番記者が「それじゃダセェっすよ。もっとかっこよくなきゃイカンっすよ。」てな感じで翻訳したんやなかろか??

一方、主砲レオンは８月１０日には満塁、３ラン、２ランの３発を含む１試合１０打点を記録している。

ところで、ディフェンス面では、一塁レオン、二塁高木豊、三塁田代、遊撃手山下の内野陣を、そっくり左右入れ替えるという、大矢以外では真似しようもないコンバートを断行した。これは頭の地膚と衰えの見える山下と、いつまでたっても守備が上手くならない田代の２人を見限ったものである。それでも、幾ら何でもレオンをずーっと三塁を守らせるわけにいかないので、代走と守備固めを大量投入（石橋とか村岡とか石橋とか村岡とか石橋とか村岡とか石橋とか村岡とか（以下略））するオフェンスとディフェンス交代の「アメフト野球」と言いつくろったものである。

渋いところでは読売から金銭トレードの平田が「左殺し」として頑張った。９月８日には読売戦で「ご恩返し」の代打満塁本塁打をかっとばした。

また、トレーシーに代わる外国人として西武からジェリー・ホワイトが移籍したが、大した活躍も無く、シーズン途中で退団していった。西武時代は「ジェリー」で大洋時代は「ホワイト」と登録名が異なるだけだった。（牛込通訳の著書によれば、渉外部と関係無しに獲得が決まっていた異例の経緯だそうである）

ところで、戦跡であるが、きっと皆スーパーカー以外は覚えていないだろう。開幕戦で読売を猛打で圧倒して勝利したが、2戦目で大畑が打たれたのである。（←右田２世か？）とにかくマスコミのネタにならなかった大洋をスーパーカートリオというネタでブラウン管登場率をアップさせ、ここ数年のお約束である「夏まではペナントをかき回す。」という大役を見事に演じきった。2位広島、3位読売には勝ち越したものの、首位阪神に、これまたお約束で大きく負け越した。（読売には勝ち越しておきながら、このシーズン、読売戦直後に阪神戦が５回あり、１勝１３敗という見事なアシストぶりである。）これは斬首島流しされた長崎啓二の鬼のような活躍（７月２７日には斉藤から代打サヨナラ本塁打）によるもの大であった。省みれば、当時の阪神は土井淳ヘッドコーチ、高橋重行投手コーチ、野村収投手と大洋を斬首された人勢揃いであったことだよ。
 

順位	チーム名	監督	横浜大洋対戦成績
１	阪神	吉田	６（３）１７
２	広島	古葉	１４（２）１０
３	読売	王	１３（３）１０
４	横浜大洋	近藤
５	中日	山内	７（３）１６
６	ヤクルト	土橋	１７（１）８

ベストナイン：高木豊

ダイヤモンドグラブ：屋鋪

打率ランキング：６位高木豊、１１位屋鋪、１２位レオン、２６位加藤博、３０位若菜、３３位田代

防御率ランキング：４位遠藤、１２位関根、１７位欠端

＜その他の記録＞高木豊最多三塁打・最多盗塁刺、屋鋪最多三塁打、加藤博最多三塁打・最多犠打、若菜全試合出場・最多併殺打・最多捕逸、遠藤最多完投・最多無四球

チーム成績

チームリーダー

開幕オーダー
 

メンバー

1山下 大輔
2レオン
3高木 豊
4吉本 博
6高木 由一
8ホワイト
9若菜 嘉晴
11堀井 幹雄
12関根 浩史
13池内 豊
14増本 宏
15門田 富昭
16欠端 光則
17斉藤 明夫
18広瀬 新太郎
19金沢 次男
20平田 薫
21大畑 徹
22銚子 利夫
23菊池 恭一
24遠藤 一彦
25長谷川 国利
26田代 富雄
27竹田 光訓
28西村 博巳
29加藤 俊夫
30山口 忠良
31屋鋪 要
32高橋 雅裕
33市川 和正
34薬師神 繁男
35前泊 哲明
36小山 昭晴
37日野 善朗
38河野 誉彦
39高浦 己佐緒
41青木 秀夫
43村岡 耕一
44加藤 博一
45大久保 弘司
46木村 広
47竹下 浩二
48与座 朝勝
49久保 文雄
50平川 洋幸
51石橋 貢
52杉永 政信
53板倉 賢司
54大門 和彦
55戸塚 友行
56北 安博
57武田 康
58山中 博一
59山崎 賢一
60杉浦 幸二
61白井 正勝
63片平 保彦
65林 泰宏
71鈴木 隆
72前田 益穂
73近藤 和彦
74米田 慶三郎
75田村 武雄
76小谷 正勝
78松岡 功祐
80中塚 政幸
81近藤 貞雄
82辻 恭彦
84三浦 正行
85井出  登
86松島 英雄
88笠原 敦郎
89松盛 茂
90基 満男
91江尻 亮