81年
土井監督、山根代行
順位 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 |
6 | 42 | 80 | 8 | .344 |
今年も前年に続いてメサキャンプをはったが「何をしに行ったか分からない」と解説者に言われる様ではおしまいである。下の成績を見れば分かるようにダメダメの1年であった。チーム打率最下位、チーム防御率最下位と言うこと無しである。7月5日から10月7日まで67試合で2連勝すら一度も無かったという快挙も成し遂げている。
開幕シリーズを雨で流し、地元横浜で迎えた読売3連戦を平松、古賀で落とした横浜大洋は実績の全くない2年目前泊を抜擢。テッチュウこと前泊は「初物に弱い」読売に競り勝ち、一躍全国にその名を轟かせた。前泊はこの年チーム最多先発するもたったの2勝。ていうか生涯2勝どまりであった。
投手陣は、先発斉藤、リリーフ遠藤の両エースで開幕を迎えたが、両者ともに不調。遠藤は小倉での読売戦で、東海大の後輩原にサヨナラ本塁打を浴び、以降苦手にしつづけた。結局夏には遠藤と斉藤を入れ替えることになった。最終的には二桁勝利は一人もおらず、平松の連続二桁勝利も途切れてしまった。チーム最多勝が8勝(遠藤)というのはいかに弱小大洋といえども歴代最少記録である。この総崩れの中で異彩を放ったのが、中日から移籍したマック佐藤である。「タコ踊り」投法といわれた独自のフォームで最多登板、後半戦はローテの柱として活躍し6勝をあげた。8月3日ヤクルト戦ではチーム唯一で自己最初の完封を演じている。結局斉藤15敗、野村13敗、遠藤11敗、古賀10敗と4人の二桁敗戦である。
打撃陣もランキング20位の山下が最高という状態。金髪マッチョで親戚にはムービースターもいるというゴージャス外国人ピート・ラコックは、文句ばかり言って役に立たなかった。安物外国人ジェイ・ピータースもたいしたことなかったが、給料の安さが幸いして翌年に首がつながった。
土井監督は結局途中休養し、9月26日から山根ピッチングコーチが代行に就任。V1戦士監督は秋山に続き無残な結末を迎えた。(その次のV1監督は、近藤チューヤンまでまたざるを得なかった。この3人で比べるとまだチューヤンがましなのか。)。この年読売からはわずかに4勝、上位3チームから合計18勝しかあげられず「横浜大洋銀行」との蔑称を欲しいままにした。また観客動員数は、最低記録(今でも)であり、横浜市民の「大洋離れ」を感じさせるものであった。以降優勝するまで「フランチャイズなのに読売、阪神の方がファンが多い。」という状態が続く原因となった1年でもあった。
7月9日に辻がガードナー(広島)の本塁打の「ホームベース踏み忘れ」を指摘した痛快さだけが救いか。
また、記事に困った「ファンマガジン横浜大洋」は「優勝特集」という暴挙に出て、今のチームに書くことがないことから1965年の優勝を延々と紹介した。以降「ファンマガジン横浜大洋」は「大本営発表雑誌」となっていく。
なお、パリーグの優勝は日本ハムだったが、元大洋の間柴が15勝0敗(当然勝率1位)で優勝に貢献したことを記録しておこう。
順位 | チーム名 | 監督 | 横浜大洋対戦成績 |
1 | 読売 | 藤田 | 4(2)20 |
2 | 広島 | 古葉 | 6(1)19 |
3 | 阪神 | 中西 | 8(1)18 |
4 | ヤクルト | 武上 | 11(4)11 |
5 | 中日 | 近藤 | 14−12 |
6 | 横浜大洋 | 土井 |
ベストナイン:山下
ダイヤモンドグラブ:山下
打率ランキング:20位山下、24位高木、26位田代
防御率ランキング:16位遠藤、18位斉藤明
<その他の記録>
田代全試合出場・最多犠飛、山下全試合出場、佐藤最多登板、斉藤明最多敗、古賀最多暴投
チーム成績
打率 | 順位 | 得点 | 順位 | 本塁打 | 順位 | 盗塁 | 順位 |
.252 | 6 |
444 | 6 | 105 | 6 | 70 | 4 |
防御率 | 順位 | 失点 | 順位 | 奪本塁打 | 順位 | 完投 | 順位 |
4.41 | 6 | 609 | 6 | 131 | 3 | 21 | 5 |
チームリーダー
打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | ||||
山下 | .278 | 田代 | 30 | 田代 | 81 | 屋鋪 | 16 |
勝利 | 防御率 | 奪三振 | SP | ||||
遠藤 | 8 | 遠藤 | 3.93 | 斉藤明 | 100 | 斉藤明 | 13 |
開幕オーダー
9 | 屋鋪 |
4 | 基 |
3 | ラコック |
5 | 田代 |
7 | 高木 |
8 | ピータース |
6 | 山下 |
2 | 辻 |
1 | 斉藤明 |
メンバー
1山下 大輔
2中塚 政幸
3岩井 隆之
4ピータース
5基 満男
6高木 嘉一
7長崎 啓二
8辻 恭彦
9斎藤 巧
10福島 久晃
11竹内 宏彰
12田中 由郎
13佐藤 政夫
14堀井 恒雄
15門田 富昭
16高木 豊
17斉藤 明雄
18広瀬 新太郎
19久保 文雄
20増本 宏
21野村 収
22池田 弘
23ラコック
24遠藤 一彦
25古賀 正明
26田代 富雄
27平松 政次
28杉永 政信
29加藤 英美
30山口 忠良
31屋鋪 要
32藤岡 貞明
33市川 和正
34北 安博
35前泊 哲明
36小山 昭晴
37笹川 博
38河野 安彦
39三浦 正行
40竹之内 徹
41清水 宏悦
43高浦 美佐緒
44宇野 輝幸
45大久保 弘司
46山崎 賢一
47江幡 和志
48高本 昇一
49与座 朝勝
50茅場 孝史
51石橋 貢
52黒沢 修
53安田 尚弘
54若林 憲一
55西山 茂
56北戸 忠
57山本 恒敬
59山根 俊英
60稲川 誠
63森 一晃
66浅利 光博
67稲葉 進
68新井 克太郎
70池田 英俊
72須藤 豊
74米田 慶三郎
75田村 武雄
77土屋 弘光
78松岡 功祐
79竹沢 安博
81土井 淳
82沖山 光利
84小谷 正勝
86松島 英雄
88笠原 敦郎
89松盛 茂
91江尻 亮