８０年 土井監督
 

監督含みのヘッドコーチ就任していたＶ１戦士土井が遂に監督に就任。無様な成績を残したＶ１戦士秋山の汚名挽回を目指した。フロントも米国メサでのキャンプで応えた。

開幕戦は横浜に前年５位の読売を迎えた。これは、地球創世以来最初で最後の出来事である。平松、斉藤明の両エースはキャンプ中にたくわえた髭（平松はチョビ髭、斉藤はアゴもモミアゲも全面髭）面の効果で？抑え、打では新外国人スキップ・ジェームスの活躍で連破したのである。（ちなみに長島監督はこの年限りで解任された。）

昨年広島に独走を許したのは、２位大洋が大きく負け越したことに一因があった。このため３つの広島対策が取られた。（１）広島ＯＢの池田投手コーチを明治大閥で獲得。（２）前年南海から獲得した佐藤道がストッパーとしては失格。代りのストッパーとして広島Ｖ１戦士の宮本幸と前年活躍のサブマリン田中由のダブルストッパー構想。（３）高橋慶彦らが走り回った広島に劣る機動力野球の推進。しかしどれも中途半端。特にダブルストッパーは開幕早々に崩壊。結局前年に続き遠藤が先発から抑えに回ることとなった。宮本幸は広島から勝てば、初の「１２球団からの勝利」であったが、その記録は達成されることはなかった。

チームは６月まではＡクラスに食らいついたものの、夏場に入るや「１２連敗」で一気に脱落。再度の浮上はなく「大洋は夏まで」との印象が定着することとなる。結局、横浜大洋初の負け越しとなった。松原はこの年、２０００本安打を達成し、隔月刊としてスタートした「ファンマガジン横浜大洋」の表紙を飾ったものの、衰え著しく、ミヤーンに一塁を奪われ、代打稼業に身をやつしていた。結局このオフに、読売古賀投手とのトレードでチームを去ることとなった。松原に代わる４番には当初高木主将が予定されていたが、夏には田代が定着。田代は独特のクローズドスタンスから自己最多の３６本塁打を放つ（年間リーグ２位で、ローズに抜かれるまで年間球団記録）。ジェームスは、開幕戦以降巨人キラーとして人気。また金髪をなびかせてランニングホームランを２本放ち、今でも日本記録である。ところで、ホームランスターはこのころくらいまではあったと思うが、どうして消えてしまったのだろう。
 

順位	チーム名	監督	横浜大洋対戦成績
１	広島	古葉	１０（２）１４
２	ヤクルト	武上	１１−１５
３	読売	長島	１６−１０
４	横浜大洋	土井
５	阪神	ブレイザー	９（２）１５
６	中日	中	１３（５）８

ベストナイン：基

ダイヤモンドグラブ：基、山下

打率ランキング：４位基、１１位田代、１６位高木、２１位ジェームス、２６位山下

防御率ランキング：１３位斉藤明、１７位平松、１８位野村

＜その他の記録＞

田代三振王、斉藤明最多敗・最多被安打・最多四球・最多ボーク・最多失点・最多自責点

チーム成績

チームリーダー

開幕オーダー
 

メンバー
1山下 大輔
2中塚 政幸
3岩井 隆之
4ジェームス
5基 満男
6高木 嘉一
7長崎 慶一
8辻 恭彦
9斎藤 巧
10福島 久晃
11竹内 宏彰
12田中 由郎
13宮本 幸信
14佐藤 道郎
15門田 富昭
16ミヤーン
17斉藤 明雄
19江幡 和志
20増本 宏
21野村 収
22池田 弘
23清水 宏悦
24遠藤 一彦
25松原 誠
26田代 富雄
27平松 政次
28杉永 政信
29加藤 英美
30飯田 幸夫
31屋鋪 要
32藤岡 貞明
33高橋 重行
34北 安博
35前泊 哲明
36小山 昭治
37笹川 博
38河野 安彦
39三浦 正行
40竹之内 徹
41沖山 光利
43高浦 美佐緒
44宮本 四郎
45大久保 弘司
46大橋 康延
47三浦 道男
48高本 昇一
49与座 朝勝
50茅場 孝史
51石橋 貢
52黒沢 修
53安田 尚弘
55西山 茂
56北戸 忠
57山本 恒敬
59山根 俊英
60稲川 誠
63森 一晃
65若林 憲一
66浅利 光博
67稲葉 進
68新井 克太郎
69沢本 正樹
70池田 英俊
71森下 整鎮
72須藤 豊
74米田 慶三郎
75田村 武雄
76新谷 祐二
77外園 正
78松岡 功祐
79竹沢 安博
80土井 淳
84小谷 正勝
86松島 英雄
87内田 周作
88笠原 敦郎
89松盛 茂
90在原 昭彦
91江尻 亮